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地域

Area

太田川の恵みを受ける人々の暮らし

紀伊半島南部を流れる太田川。那智山を源流として、地域を潤しながら巡り熊野灘に注ぎ込みます。延長約24キロメートルとそれほど長くはないものの、色川地区、太田地区、下里地区と、古くから流域の森林や農作物を育み、水道水としても利用されてきました。そんな太田川の恵みを受けて、林業、農業、漁業を営み、地域を発展させてきた人々。その歴史はまた、気候変動や人口減少、海外からの木材の流入など、移り変わる時代のなかで直面する様々な困難に立ち向かいながら生活を守る日々でもありました。団結し、支え合いながらそれぞれの地域の特色を活かして前進する、色川、太田、下里・浦神の三つの地域についてお伝えします。

太田

太田に広がる日本の原風景

古くから米作りが盛んに行われてきた太田地区。山から流れてきた水が、太田の平坦な土地をなだらかに巡って田畑を潤します。明治の終わりにいち早く耕地整理をしたとも言われ、田んぼを十字に分けて数センチ単位で段々に作ることによって、水の緩やかな流れを生み出し広く行き渡るようにしているといいます。水を巡る争いを避け、地域住民が互いに協力してきた歴史が垣間見える太田。のどかな町並みは温かな空気を感じさせます。太田と串本町田原を結ぶ八郎山は標高250mと小山ながらも、頂上からは360度パノラマの絶景が広がります。

下里・浦神

歴史文化を感じさせる海の町

色川地区、太田地区と下ってきた太田川は、ここ下里地区で太平洋へと合流します。かつて、河口付近は色川など周辺地域からの木材の集散地として、製材業や海運、漁業などで栄えたといいます。また、4世紀後半に造られたとされる本州最南端の前方後円墳や、城跡、西村伊作が設計した国登録の有形文化財「日本基督教団紀南教会」、県の無形民俗文化財に登録されている「高芝の獅子舞」など、歴史や文化を感じさせる土地でもあります。スーパーやコンビニ、駅、オシャレな雑貨屋さんやスムージーの専門店などもあり、田舎の素朴さと便利さを兼ね備えた暮らしやすい地域です。

色川

人、自然、動物が共存する美しい山里

色川地区は、那智勝浦町の中心部から車で約40分ほど山道を登ったところにある静かな山里の地域。太田川の上流にあり、かつては林業や鉱山で栄えました。現在は名産「色川茶」の生産や、シカやイノシシなど野生動物の食肉「ジビエ」の解体・生産など、ここで暮らす人たちがそれぞれの生業で生計を立てており、人や自然、動物が共にある生活を感じられます。また、色川といえば人口の約半数が移住者という全国でも珍しい地域。決して便利とはいえない小さな村だからこそ、人との繋がりや支え合いを大切にする風土が根付いています。

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