スポーツバイクの走行性と、電動自転車の機能を兼ね備えた「E-バイク」で那智の滝へ!
熊野古道を歩いて巡る観光客や旅人が多くいる那智勝浦町ですが、ここには那智の滝をはじめとする観光スポットや、温泉、マグロなどの新鮮な海の幸が味わえるお食事処など、遠方からはるばる訪れたからには是非とも足を運んでいただきたいスポットが多くあります。
「歩くと時間がかかって回り切れない」、「慣れない土地での運転は不安で、駐車場の心配もある」、「都会ほど本数のない公共交通機関で、タイミングよく目的地に行けるかわからない」。そんなときは、行きたい場所に気軽に行けるサイクリングがちょうどいい。紀伊田辺駅から新宮駅間を走るJR紀勢線の普通電車に、自転車をそのまま持ち込むことができるので行動範囲も広がります。
E-Bikeの貸し出しを始めたのは、那智勝浦町の玄関口、紀伊勝浦駅のすぐ近くで「WhyKumano Hostel & Cafe Bar」を運営している後呂孝哉さん。始めようと思ったきっかけをこのように話します。
「もともと宿を2年間していて、お客さんがほぼ100パーセント那智の滝に行くんですよ。那智の滝に行く方法ってバスしかないなと思って。あ、これ自転車で行けたら面白いんじゃないかなと思ったのが最初です。ただ、滝までは坂道だからきついよなと考えているときに、E-バイクっていうのが新しく市場としてできあがってきたというのを知って。E-バイクだったらいけるじゃんと思ったのが一つです。もう一つは、那智勝浦町は温泉とか食とか、世界遺産とか、観光としてはいろいろあるけど、アクティビティスポーツは全然ないなと思って。景色がすごい綺麗だからそこを走るだけでも気持ちいいし、自転車というのは面白いんじゃないかなと思って始めました」。
E-バイクとは、スポーツバイクとしての走行性と、電動自転車のアシスト機能を掛け合わせた人気上昇中の自転車です。
自転車ならではの、町の楽しみ方。
特に決まったコースがあるわけではなく、E-バイクをレンタルして自由にサイクリングを楽しんでいただけます。E-バイクのレンタル地点から那智の滝までは片道約10km。30分ほどの道のりになります。一日かけて町を満喫したければ、那智の滝からさらに阿弥陀寺の方へ行き、色川地区を下って太田地区へ。1200年以上の歴史あるお寺「大泰寺」などを訪れて帰ってくるというのもおすすめです。
目的地を決めずに気ままに走るのも良し。これまで多くの方々に地域を案内してきた後呂さんに、おすすめのスポットやコースを尋ねてみるも良いでしょう。
那智勝浦町は海も山もあり、豊かな自然を感じられる町です。だからこそ、E-バイクとはいえ自然が生み出した起伏ある道のりを走るのは、なかなかハードかもしれません。一方で、道中に聞こえてくる川のせせらぎや鳥の声、木々に覆われたときに感じる空気の変化などに自然と心が癒されます。
車や公共交通機関の車内にいては、気づかない間に流れていってしまうようなその土地の細部や景色。それを肌で感じられるのは、自転車で時間をかけて走るからこそ。せっかく那智勝浦町まで来たのであれば、あわてず、ゆっくり、じっくりと、熊野を味わってみてはいかがでしょうか?