季節のお届けもので、ひとときの里帰り
太田地区のひらけた平地に広がる田園風景。山々からは、少しひんやりとした澄んだ空気が流れ込みます。山奥や海沿いとはまたちがった、落ち着いた時間の流れを感じられる太田地区。この地域の交流施設として旧太田中学校を改修して始められた「交流センター 太田の郷」では作物の直売を行っており、地域の農家さんたちが手間暇をかけて育てた作物の中から選りすぐりのものを届けてくれます。
そんな「交流センター 太田の郷」で、この土地を離れて暮らす人たちに「離れていても太田を感じてもらえたら」という思いから始まったのが「かほり箱」です。太田では“香り”を“かほり”と言い、商品の名前を決める際に「太田の香りを届けるにしよう」という提案から「かほり箱」と名付けたそう。太田川の清流で育った数種類の季節のお野菜に、お米、そのお米で作った米粉のパン、それにお味噌やジャムまで。新鮮野菜の素材を生かして、余計な物は入れず昔ながらの手作業で大切に作られたお味噌やジャムは、リピーターの方も多くいる人気の品。そんな盛りだくさんの太田の香りをぎゅっと詰め込んで、みなさまの元にお届けします。
箱を開けると、懐かしい景色とふるさとの香り
「かほり箱」を開けると、力づよい生命力を感じさせるような色とりどりのお野菜たち。それぞれのお野菜には生産者の名前が付けられていて、その名前を見て懐かしむ人もいるのだとか。太田川の水や新鮮な空気、そして農家さんたちの手で育てられた作物は、食としての美味しさはもちろん、この土地が持つ温かさや懐かしさも届けてくれるようです。元々は地元を離れた方に向けて始められた取り組みでしたが、今では太田の出身ではない方々からも注文が入るようになり徐々に人気が高まっているそう。
「交流センター 太田の郷」で活動するスタッフの方は、「地元の農家さんがやりがいを持って農業ができること、そして太田で安心して農家になる人が増ることに繋がれば」と話します。現在「かほり箱」は、季節や天候などによる収穫の状況によって不定期での販売のみ行っていますが、将来的には定期便のように日常使いのお野菜をお届けしていきたいとのことなので今後もぜひご注目ください。また、もし気になるお野菜などがあれば、お気軽に「交流センター 太田の郷」までお問い合わせください。太田の「かほり箱」が、あなたにとって大切な場所を近くに感じられるきっかけになりますように。