市場ごはん しげ|優しさを感じる料理の根底には食材へのこだわりと敬意

市場ごはん しげ|優しさを感じる料理の根底には食材へのこだわりと敬意

朝ごはん/にぎわい市場/地産地消

紀伊勝浦駅を降りて、アーケードの通りを真っ直ぐに抜けると勝浦名物の足湯が見えてくる。その足湯と漁港の間にあるのが、食事やお土産の購入ができるにぎわい市場。さまざまなお店が並ぶ店内の一角に市場ごはん しげはあります。毎朝、店主自らが競りで落とした地魚を使った朝ごはん定食など、素材にこだわったお料理を提供する市場ごはん しげを取材しました。

にぎわい市場がオープンしたのが2018年の6月。オープン当初から店舗の1つとして営業をしている。店主の片原桜子(かたはらさくらこ)さんは実家がまぐろの仲卸で、自身も毎朝漁港での競りで魚を買い付けている。鮮度の良い(高い)魚や新鮮な野菜を使って、1番美味しい状態で食べてもらえるように、という想いで料理を作っています。店名は実家の屋号まるしげとお父様のお名前からきているのだとか。

地産地消を広めるためにお店を始めました

人気の食べつくし定食

以前は、大阪の日本料理店で料理の修行をしていたという桜子さん。那智勝浦に戻ってこようと本格的に考え始めたタイミングで、にぎわい市場でお店を開くお誘いがあったという。「勝浦をしばらく離れているから、勝浦のこともわからないし、観光客の人とかに地産地消を広めるには1番いい場所やなって。」市場の隣には漁港があり、町の中には農業をしている人がたくさんいます。観光客の方はもちろんのこと、地元の人たちにも気軽に野菜や魚を食べてもらいたい、ということを考えた時に、この場所が1番よかったそう。

また、各地に旅に行くことが好きな桜子さんならではの視点もおもしろい。「各地の漁港のそばのこういう施設っておもしろいなっていうのはあったかな。大体そういうところで朝ごはんとかやっていて、地元の人もくるし、観光客も来る。地元の人との会話も楽しめるし、色々なものが見れるのがおもしろいんやよね。」

日本各地のこのような施設には、観光客、地元民問わずニーズがあるのにも関わらず、那智勝浦にはそんな施設がなかった。それもあり、桜子さんは地元に帰ってきて最初は、ここで朝ごはん定食をはじめとしたお店を開こうと決めたという。

予想通りにいかないのが、競りで買い付けるおもしろさ

にぎわい市場の隣には漁港があり、港の休みの日以外は毎日まぐろを中心とした魚の水揚げが行われている。早朝に漁港の前を過ぎると、響き渡る競りのアナウンスと大量のまぐろに惹きつけられ、思わず足が止まってしまうほどの迫力がある。しげのまぐろや地魚も、この漁港の競りで落とされており、地魚に関しては店主の桜子さん自身で毎朝買い付けをしている。

勝浦に帰ってきてから競りに行くようになったというが、毎日競りに行くようになって、毎日魚に触るようになって、おもしろさがどんどん出てきたという。「自分で良いと思って買ったらそうでもなかったとか、逆にイマイチだけど、、、って思って買ったら良かったりとか。もちろん自分の目利きの問題もあるけど、それを上回ってきたりするところがおもしろい。あとは同じ種類の魚でも個体差があるし、季節によって走りから旬、名残ってずっとあるんやけど、それで味が変わっていったりとか、脂ののり方とかもおもしろい。あとは熟成かけたら美味しくなる魚とか、そうじゃないとかはすごくおもしろい。」と楽しそうに桜子さんは話す。自然を直に相手にしていると、必ずしも自分自身の経験通りにいくわけではない。しかし、だからこそのおもしろさがあり、桜子さんの魚や自然への敬意を感じた。

定食用のまぐろを捌く

着飾っているわけではない。しかし、こだわりがある

市場ごはん しげには、丼ものや刺身定食、朝ごはん定食など、さまざまなメニューがある。どのメニューも味付けが絶妙で、味が濃いわけでもなく薄過ぎる感じでもない。むしろとても優しさを感じる味で、食べていると思わずほっこりしてしまう。そんなしげの料理のこだわりはなんなのか。

「無添加。できるだけ地産地消。変に凝ったものを作らない。基本的には毎日食べても飽きないものを作ってるかな。出張とかでしばらく滞在していて毎日来てくれたりしてる人がいたりするから。毎日、下手すると朝昼きてくれたりとかしていて。そういう人たちが毎日来て飽きないっていうところもこだわりかな。」観光地や旅先では、刺激のあるものや、揚げ物などを多く食べがちの人も多いのではないでしょうか。観光客であろうが、地元の人であろうが、長期滞在の方であろうが、食べて安心するしげの味は、このスタンスからきているのかもしれません。

また、無添加やできるだけ地産地消であることにもこだわっている。定食に使う食材や野菜は、可能な範囲で町内の農家さんから調達。町内の農家さんが直接お店に野菜を届けにきてくださる場面も。それ以外にも、隣の市や熊野エリア、遠くても和歌山県内の農家さんから買い付けをしている。ただ、無理はしない、というのも大事にしているそうで、必ずしも全てが無添加や有機、無農薬というわけではないという。

変に飾っているわけでもない。でもこだわりを感じる。だからこそ、食べたら安心するし、また食べたい、と感じるのかもしれない。

(担当者の小言)

お味噌汁が美味しい、と噂が。出汁にこだわっており、何杯でもいただきたくなるほど。しげで食事をする際は、お味噌汁にも注目です。

お店を営む上で大切にしていることは、食材への敬意

最後に、しげが大切にしていることを聞いてみた。言葉を選びながらもこう語っていた。

「食材に対する、、、なんだろう。敬意というか。やっぱり食材を作っている農家さんも知っているし、顔も見えてるから。いかに大変かっていうのも、祖父母が農家やったからわかるしね。温かいものは温かいまま、冷たいものは冷たいままでっていうベストな環境で食べてもらいたい。だから刺身とかも基本的には切り置きをしていないんだよね。楽しようと思ったらいくらでも楽できるけどさ、でもそれって結局自分が楽したいだけだと思うから。お客さんのためにもならへんし、その食材のためにもならへんし。」

しげではお客さんにご飯の量を確認したりするが、それもお金がかかっているが故に食べきれないで戻ってくるのが嫌なのではなく、作ってくれる方のことを想ってのこと。食材や生産者さんへの敬意が根底にあるからこそ、しげの料理は丁寧さと優しさを感じるのではないでしょうか。

店舗情報

Information

  • 市場ごはん しげ

  • 営業日

    8:00-16:00 
    ラストオーダー:15:30
    ※定休日:毎週火曜日(祝日・繁忙期は営業)

  • 電話

    なし

  • メール

    なし

  • アクセス

    〒649-5335 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町築地7丁目12番地

  • Instagram ※DMでの問い合わせできません

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